2024年、新築マンションはさらに高騰する?アナリストが教える市場完全予測

2023年、東京23区で売り出された新築マンションの平均価格が1億円を超えました。大手企業は賃上げを実施、政府も「物価上昇を上回る賃上げ」を後押ししています。高額物件を「買う力」をもった世帯がどんどん増え、2024年も新築マンション価格はせりあがっていくのでしょうか。「早く買わないと、マンションはもう手が届かなくなる」。焦りを感じておられる方も多いのでしょうか。ここでは次の疑問に答えたいと思います。どうか、お読みになってください。

●2023年に東京23区で発売された新築マンションの平均価格は前年比で39・4%増の1億1483万円。急騰の理由は?
●2024年はさらに上がる?いや、下がる?
●マンションを買いたくて悩んでいる人はどうすればいい?

住宅の悩みは生活の悩みそのもの。悩みますよね。食べ物も洋服も大切ですし、選択には迷うもの。でも、住宅はとりわけ迷いますが、選択を間違えると取り返しがつかないケースもあります。じっくり考えてみましょう。

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1-1 価格が1・4倍は異常、ラーメンとは違う

最近、ふらっとコンビニエンスストアに立ち寄るとチョコレートもカップラーメンも値上げ。「こんなにするの!?」って驚きますよね。日銀総裁は代わっても「物価上昇」の地合いは変わらず、モノはどんどん値上がりするばかり。

でもチョコやラーメンが値上がりしているのだから、新築マンション価格だって「そりゃあ、マンションだって1・4倍にもなるでしょう」と納得できる人がいるでしょうか。ちょっと難しいですよね。

実はその感覚、正常なんです。なぜならチョコやカップラーメンとマンションとでは原価の構造が違うからです。チョコの材料はカカオやバター、砂糖などですが、いずれも輸入に頼っているものばかりで、最近の円安で輸入価格が高騰してしまっています。

ところがマンションはどうでしょうか。建築資材であるH型鋼やコンクリートなどは原料の大半を輸入しているわけですから、確かに高騰していてH型鋼なども7割近くの高騰なのですが、もう一つ、マンションの価格の「原価」を構成する重要なものがあります。それは土地なんです。土地は「高騰」しているのでしょうか。地価が「回復」していることは事実ですが、決して「高騰」はしていません。

1-2 マンション価格、6割は土地が決める

 新築マンション価格の原材材料費でもっとも大きいもの、それは土地です。土地のコストが原材料費のなかで最も大きいのです。これがチョコやカップラーメンとマンションが大きく違う点です。

 地方都市の場合で建物と土地の価格の割合は6:4、東京の場合、とりわけ23区のような都心部の場合は4:6、つまりざっくり言って、新築マンション価格の60%が土地の価格が占めているのです。土地の価格が高ければマンション価格は上がりますし、土地の価格が下がれば下がる。マンションの価格は土地の価格なのです。

1-3 土地の価格が1年で1・4倍になったのか

土地の価格が上昇していることは確かです。しかし、それはあくまでも「緩やかに」です。国土交通省が2023年に発表した基準地価では住宅地と商業地などの全用途の全国平均が2年連続で上昇し「地価回復」とされましたが、それでもわずか前年の1・0%です。

土地は決して「急騰」している状況にはありません。土地やマンションにはそれぞれ個性があって値段も一物一価(同一の商品は同一の価格)という経済原則が成り立ちませんし、隣り合わせの土地であっても大きく価格が大きく違う場合がありますが、だとしても新築マンション価格が4割も押し上げるほど地価は上昇したとは言えません。東京23区の1平方メートルあたりの平均価格は168万円で、バブル期の1990年代初めと比べるとまだ4割程度の水準なのです。

1-4 不動産会社が高いマンションを売ったから平均価格も上がった

 建築資材や賃金の上昇はあっても原材料費の6割を占める土地の価格がバブル期の半分にも満たないのに

「なぜ、東京の新築マンション価格が史上最高になるのか」。

不思議ですよね。でも言ってしまえば簡単です。答えは「高いものが売り出されたから」。「なんだよ」。

そう思われたでしょう。しかし、今、マンションを開発するデベロッパーが「1億円超の値付けでも売れる」と判断しているのです。実際、契約率が70%を超えているわけですから、デベロッパー側の判断は正解だったということになります。

1-5 億ションをいったい誰が買う?

売れているなら、誰が買っている?気になりますよね。4、5年前なら主役は夫婦共働きでそれぞれ年収は700万円以上の「パワーカップル」でしたが、今は違います。とても手がでません。

「では、誰?」

投資家です。為替がこの状況です。今、海外投資家の「絶好の買い場」となっているのです。1ドル150円時代となれば1ドル100円時代に比べて3割以上、割安に購入できます。裏を返せばそれだけ価格が上がっても、海外投資家はついて来れる、売り手側はそこを見越しているわけです。実際、台湾有事も日々、現実味を帯びるなかで中国などアジアの投資家の間では「日本のマンション投資は魅力的」という話は業界関係者からよく聞く話です。

2-1 落ち着きが予想される2024年の新築マンション市場

2024年、新築マンション価格はさらに上がるのでしょうか。まず、2023年の東京23区のように「さらに1・4倍になる」ということは考えられません。着工戸数や開発立地などから見てもデベロッパー側が2024年をそれほど「強含みの年」とは見ていないことが分かりますし、急激な為替変動がなければ価格的には落ち着くでしょう。政府は「物価上昇を上回る賃上げを」と提唱していますが、裏金問題で低下が続く支持率の底上げ狙いの側面が強く、実際に「億ションを思い切って買える」世帯が一気に増える状況にはありません。

2-2 前年の売れ残り6287戸、マンション高騰はない

2024年、「東京23区で新築マンション価格の急騰はあるのか」を考える材料の一つとして指摘したいのが2023年末時点での売れ残り戸数です。売れ残り戸数は首都圏で6287戸あります。2023年に発売となり売れ残った新築マンションの個数が4393戸、これに2018年から2022年の売れ残り分(1894戸)を合わせた数なのですが、「需給がひっ迫している」「買うモノがない」という状況にはありません。供給戸数も首都圏で3万1000戸と前年よりも15・3%多い。3万戸の大台に乗るは5年ぶりのことですから、台湾有事など突発的な事件がない限り、価格が急騰していくことはないでしょう。

3 まず、冷静に

こう考えていくと2024年、「新築マンションを買うか、買わないか」で迷っているなら「待ち」で良いと思います。もちろんマンションは「決して同じものを別のタイミングで買うことができない」わけですから、「どうしようもなく気に入った」というなら「買い」です。賃貸マンションに住んでいるなら、次の機会が来るまで賃料も発生しているわけですから。しかし、迷いが少しでもあるのなら「待ち」の選択で正解でしょう。

「このままでは買えなくなる」とあおられて買うのは賛成しません。まず、冷静になってみることです。ご両親の介護やお子様の進学、転校など家族の事情がある場合は別ですが、「一生の買い物、ここは気合いだ」と思いきるのは考え物です。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。「2024年、新築マンション価格は高騰するのか」を考えてみました。結論は次のようになるのではないでしょうか。

●2024年、億ション超えした東京23区の新築マンション価格の高騰はない。
●理由は原材料費の6割を占める土地の急騰がないから
●2023年の主要プレーヤーは海外投資家
●「買うか、買わないか」迷いがあるなら「待ち」で。

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著者情報

ニックネームはハチマキめがね 。下水道の清掃員、マンホールから地下にもぐり数百匹のゴキブリとウンチまみれのドブねずみと対決→生鮮市場 でサンマやイワシなど小魚を売る。毎日、ギャング集団のマグロチームに追い立てられ少し弱り気味、、、。そんな中、日頃気になる話題を独自の切り口で語ってみました。「満月」のように太陽の光を浴びて夜道を照らすような存在でありたいと思います。よろしくお願いします!

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