自民二階氏が贈収賄、脱税?「3年間で書籍費3500万円なり」の結末

 「本好き」の人も驚いたことでしょう。自民党の二階俊博元幹事長が代表を務める政治団体が3年間で約3500万円の書籍代を支出していたというのです。ざっと公立図書館の図書資料購入費(1年間)の約4倍の書籍代。「上級国民である政治家は知の巨人なければならない」。だからと言って税金でそんな散財をしていいわけはないですよね。いったい、そんなデタラメがまかり通るのはなぜなのでしょう。政治の世界って不思議ですよね。

●3500万円の書籍費ってどれくらい凄い?
●お金はどこから出て、どこに消えた?
●政治ってなぜそんなにお金がかかるの?

みなさん、そう思われますよね。ここではそんなみなさんの疑問にお答えしたいと思います。

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1-1 3年間で図書館4つ分の本を買った?

「書籍代3500万円」という数字はいったいどれくらいの規模なのか。それを考えてみたいと思います。日本図書館協会のデータによりますと2021年度の公立図書館の図書資料等購入費は1館あたり823万円。単純に計算しますと1つの公立図書館が年間に支出する図書資料等購入費の約4倍にあたります。

また、全国学校図書館協議会のデータでは2022年度の1校あたりの図書室の書籍購入額は、小学校が46.8万円、中学校が65.7万円、高校が76.8万円でしたので、3500万円という金額は、小学校だと75校分、中学校だと53校分、高校だと46校分の図書室の年間の書籍購入金額になります。

1-2 冊数でいうと14000冊、「家が一軒建つ」

二階氏は3年間で3500万円分の書籍を購入しました。1年間にならすと約1170万円。定価2500円の書籍だとしても毎年4700冊。3年間で14000冊にもおよびます。

そんな大量の書籍を本当にすべて読破したのでしょうか。読んでいないにしてもどこに保管しているのか、本当に気になります。立憲民主党の藤岡隆雄衆院議員が衆院予算委員会で「家一軒建つくらいの書籍代が支出された。いったい何万冊が購入されたのか」と質問していますが、全くその通りで常識では考えられない規模の支出額です。

2-1 お金の出どころは自民党?年収4000万円でもポケットマネーでは無理

さらに気になるのはお金の出どころです。書籍代は二階氏が代表を務める資金管理団体「新政経研究会」から支出されていました。そんなお金がどこから入ってきたんだろう。だれでもそう思いますよね。選挙の度に「国民のため」「国民にご奉仕」と連呼し頭を下げてまわる国会議員ですが、実はそんなに高い給料をもらっているのでしょうか。

そうです。もらっています。日本の国会議員に支払われるお金は世界的に見ても3本の指に入る水準で、1年間の給与の総額は約1200万円以上。これに年2回の賞与(年間約600万円)が加わり、さらに文通費は年間1200万円、立法事務費は780万円などの名目で加算されます。全部をひっくるめると軽く3000万円は超えて4000万円に届く金額になります。

それだけではありません。新幹線のグリーン車を含めたJR線はすべて無料、航空券も月に4往復分が無料です。さらに秘書3人を雇用することができ、費用は国から支給されます。秘書給与に関する費用は年間2000万~3000万円程度が相場です。

もっと言うと議員会館の賃料は無料、議員宿舎には格安で居住することができます。2014年に賃料引き上げをおこないましたが、周辺相場の2割程度で借りることができます。

「さすが上級国民」とため息が漏れてしまいますね。

しかし、それはそれ。年間で1000万円超、3年間で3500万円の書籍代は異常ですし、国会議員といえどポケットマネーで賄える金額ではありませんか。ありえない数字です。

2-2 自民党からの50億円が使われた

ではどうしたのか。浮上しているのが、政策活動費です。これは政党が政治家個人に支出する政治資金のことであって、二階氏は5年間で約50億円をこの政策活動費という名目で受け取っていました。これまた驚愕する規模の金額ですが、これほどのお金が自民党から二階氏に流れていたわけです。「書籍代約3500万円」もそこだけ切り取ると驚くべき数字ですが、50億円の使い道の一つと考えれば理解はできます。

ただ、理解はできても納得はできませんよね。「食費だって毎日切り詰めながら生きているのに」。そうですよね。怒り心頭とはこのことで「けしからん」と憤りを覚える方も多いでしょうが、実はこれ違法ではありません。「政治活動」のために支出されているなら使途の公開すら必要ないのです。

しかも、使い道は公開しなくて良い決まりです。政治資金規正法は政治家個人への寄付を原則禁止していますが、「政党がする寄付」は問題がありません。したがって自民党から二階氏に50億円が支出されていることは合法であり、そのお金の使い道を明らかにする必要はないのですから、二階氏が罪に問われることはないのです。

ただ、二階氏がそのお金を政治活動以外に使ったとしたら、これは問題になります。なぜなら、政治活動以外の支出には、所得税がかかるからです。二階氏は所得税を支払っていませんから「書籍購入」が「政治活動以外の支出」と断定されれば、二階氏は脱税をしたことになるのです。

2-3 本を選挙民に送ったのなら贈賄、脱税

では、書籍購入が政治活動以外の支出になるのか。ここは気になりますよね。そもそも「本当に書籍を買ったのか」という疑問が湧きますが、ここは二階氏本人の説明によると本当に書籍を買ったようです。8-9割は二階氏を誉めたたえる、いわゆる「ヨイショ本」のようでして、例えば『二階俊博の政界戦国秘録5(大下英治著)』500冊、計34万1000円、『二階俊博幹事長論(森田実著)』300冊、計30万880円、『ナンバー2の美学 二階俊博の本心(大中吉一監修、林渓清著)』5000冊、計1045万円、『地元メディアが見た 二階俊博 力の源泉(和歌山放送報道制作部編著)』3000冊、計275万円、『最長幹事長(大下英治著)』3000冊、計231万円、『政権奪取秘史 二階幹事長・菅総理と田中角栄(大下英治著)』3000冊、計475万2000円、『自民党幹事長 二階俊博伝(大下英治著)』300冊、計44万8800円などです。

ただ、この本をどうしたのか。仮に二階氏の選挙区である和歌山の選挙民に送ったのなら問題です。贈収賄の可能性が出てきます。ペラペラの団扇を配ることすら問題なのですから。もちろん贈収賄なら正当な「政治活動」ではありませんから課税対象になりますから、税金を納めていない二階氏の場合は政治資金規正法にも抵触してしまいます。

3-1 政治家の年間活動費は1億円

「書籍代3500万円」問題でつくづく思うのは金銭感覚の違いです。国会議員と庶民とではこんなに違うのです。

ただ、国会議員がそんなに贅沢な生活をしているのか、と問われると違います。政治家と接してみると料亭での夜の会合がない場合、平素はさほど驚くような食事をしているわけではありません。

最近、国会議員の石破茂氏がNHKなどのインタビューで答えているところでは「国会議員の1年間の活動費は1億円くらい」だということです。石破氏は次の総裁選への出馬が取りざたされる自民党の大物議員で20代の頃、「政治と金」と考えるユートピア政治研究会のメンバーとして「仲間と真剣にお金の問題を議論した」というのですが、実際にいくらお金がかかっているのかヒアリングしたところ、年賀状やパンフレットの作成などもろもろの活動で国会議員が年間に必要なお金は1億円くらいだったというのです。もう四半世紀前の数字ですから、現在はもっとその金額が膨れ上がっている可能性はあります。

3-2 出馬なら最低2億円

 出馬にはもっとお金がかかります。年間の活動費が1億円なら出馬にはその3倍、少なくとも2倍は必要です。霞が関のキャリア官僚で課長クラスのポストにいた知人によると「自民党から『地盤を譲るから出てほしい』と要請があり出てみたら大変なことになった」と言います。

当時、知人は30歳代の後半。子供もいました。役所を辞めたのはいいけれど自民党はお金を用意してくれるわけでもない。家族を路頭に迷わせるわけにもいかず、死ぬ思いをして億単位の選挙資金をつくりギリギリ当選した。それでもすぐにまた次の選挙がやってくる。毎年、毎年、資金づくりに追いまくられ「こんなことだと分かっていたら絶対にやらなかった」と言います。東大法卒、中央官庁の官僚でなおかつ自民党が地盤を用意してくれたとしても、これが実態です。

政治にはお金がかかります。かかりすぎます。ですから一般人がゼロから国政に挑戦し、国を変えることなど絶対にできないのです。

3-3 お金がなければ政治家になれない

だからと言って二階氏が許されるわけではありません。「書籍代3500万円」がいかに庶民の感覚とかけ離れているのか、よく考え、日本の政治を変えていってほしいものです。このままでは「お金をつくれる人しか政治ができない」国になってしまいます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

まとめ

●書籍代3500万円は公立図書館の年間の図書購入費の4倍
●お金は政党が支出した「政策活動費」からの可能性が高い。二階氏は5年間で50億円を支出してもらっていた。
●購入した書籍をどうしたのかが焦点。有権者に配ったのなら贈収賄、脱税で問われる可能性がある。


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著者情報

ニックネームはハチマキめがね 。下水道の清掃員、マンホールから地下にもぐり数百匹のゴキブリとウンチまみれのドブねずみと対決→生鮮市場 でサンマやイワシなど小魚を売る。毎日、ギャング集団のマグロチームに追い立てられ少し弱り気味、、、。そんな中、日頃気になる話題を独自の切り口で語ってみました。「満月」のように太陽の光を浴びて夜道を照らすような存在でありたいと思います。よろしくお願いします!

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