帰ってきた小池百合子、女性初総理に向け本格始動

自民党の支持率が20%を割りました。裏金や脱税、東京五輪疑惑など問題噴出なのですが、すでに最大のポイントは次の首相が誰か、というところ。「岸田文雄氏ではもう自民党はもたない」という声が急速に高まるなかで「日本初の女性総理」に最も近い政治家である小池百合子東京知事が脚光を浴びています。7月の誕生日で72歳。残り時間も少ない。激動こそチャンスと波に乗る動きに出るのでしょうか。

●なんで今、小池氏なのか?
●小池氏はやる気はあるの?
●東京知事は7月で2期が満了するけれど、これからどう動くのかな?

ここではこんな疑問に答えていきたいと思います。

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■政治家は選挙に落ちればサル以下

1-1 岸田政権の支持率、危険水域の30%割れに突入  

朝日新聞社が2月17、18日に実施した全国世論調査(電話)によりますと、岸田文雄内閣の支持率は21%(前回1月調査は23%)でした。岸田内閣が発足して以来、最低を更新したのはもちろん、2012年末に自民党が政権に復帰して以降、3代の内閣を通じてでも最も低い数字です。内閣支持率は30%を割ると「危険水域」とされますが、かなり危険な状況だといえるでしょう。

ちなみに不支持率は65%(同66%)で、政権復帰以降、最も高い水準が続いてまして当選回数の少ない若手議員からは「岸田さんでは次の選挙は勝てない」、大物議員も「これでは自民党が持たない。崩壊する」との声も出てきました。

「政治家は選挙に落ちればただの人」――。国の財政を痛めてまで減税したのに支持率が上がらない、「自民党総裁史上ほとんどいない首相」の元では、次の選挙で自分の首が危ないと自民党議員がゴロゴロです。

1-2 裏金問題で岸田政権のイメージ回復は無理

 岸田政権のイメージが悪すぎます。とりわけ裏金問題について同じく朝日新聞の調査で岸田文雄首相のこれまでの対応を評価しますかと聞きますと、「評価しない」は83%(前回1月調査75%)、「評価する」は10%(同17%)。前回調査よりその差が大きく広がっています。裏金問題に対する首相の対応がまずくて評価がさらに下がっていることがうかがえます。株価ばかり高水準で推移しますが、中間層以下の国民の実質賃金が下がり、生活は苦しくなるばかりですから、「何で政治家ばかりいい思いをするのか」といった不満が充満している状態です。野党からは「問題に関係する国会議員に説明させる政治倫理審査会を開催して徹底的に説明を」との追及が激しさを増していますが、自民党側に真摯に対応する姿勢は見られません。支持率の回復は極めて難しい状況です。

 そこで出てきたのが小池百合子さん待望論です。石破茂氏や茂木敏充氏、高市早苗さんなど次の総理候補として名前が挙がり始めた人たちもいますが、いずれも華やかさや決め手に欠き世論調査の数字も今一つです。その点、小池百合子さんなら「名前、実力、経験からして文句なし」です。総理としての資質というよりも「選挙に勝てる自民党の顔」として「ひとまずここは小池さんで急場をしのぐ」ということです。

■小池氏、内心はやる気満々

2-1 女性で初めて自民党の総裁選に出馬

自民党の総裁選に初めて出馬したのは誰でしょう――。小池百合子さんです。総理をやる気があるのか、ないのか、となれば当然あるでしょう。「小池百合子さんが出馬したのは、もう16年も前のこと。今はもうそんな気持ちはないのでは」。いえいえ。本人に直接お会いしお話をした経験もありますが、小池百合子さんは相当の野心家です。簡単にあきらめる人ではありません。

そもそも総裁選ということでは実績があります。出馬するには20人の推薦人が必要ですが、小池百合子さんは実際に20人を集め総裁選を戦いました。これはさすがです。同じ女性で、総理候補の高市早苗経済安保相の場合は、同氏を中心とする議員勉強会「『日本のチカラ』研究会」を立ち上げていて、「総裁選出馬の布石」と見られていますが、最も大切な初会合への参加者は13人、2回目も20人を切り、3回目にようやく高市早苗さん自身を含めて19人と20人に迫った程度です。仮に小池百合子さんが総裁選に出るとなればどうでしょう。その差は歴然としています。

2-2 このタイミングでの「あえての台湾訪問」で見える野心 

小池百合子さんが次の総理に意欲を持っている証拠があります。2月7日の台湾訪問です。世界が2つの大きな戦争を抱え、世界中が緊迫感に覆われ、ピリピリしているというのになぜあえての台湾訪問を慣行したのでしょう。

小池百合子さんは蔡英文総統や頼清徳次期総統と会談を持ち「防災分野だけでなくデジタルなど様々な分野での交流や連携を進めていくことを確認した」と説明しました。「台湾は中国の一つの省」という立場の中国は案の定、反発しましたが、小池百合子さんは都市外交として都市間の連携は極めて重要。(中国の)指摘はあたらないと思う」とどこ吹く風でした。

 ここで分かるのは小池百合子さんの政治センスです。台湾のトップと渡り合い、東京という1地方自治体の首長ではあるものの自身が日本を代表する政治家であることをアピールするとともに、防衛相を経験した自身こそ今のきな臭い世界情勢のなかで日本をリードする宰相にふさわしいというイメージづくりに成功しました。中国が無視せず、きちんと反発してくれたのも思惑通りで過去に防衛相を経験したことも国民に思い出させたことでしょう。外交センスはともかく、良い悪いは別として自身を打ち出す政治センスは抜群といえるでしょう。

■4月28日の衆院補欠選挙が焦点

3-1 4月28日の衆院東京15区補欠選挙が分水嶺

 小池百合子さんが総理の座を目指すなら、まずは国会議員に返り咲かなくてはなりません。そこで今、取りざたされているのが、4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙です。江東区長選挙を巡り公職選挙法違反の罪に問われている前自民党の衆議院議員・柿沢未途被告(53)が議員辞職したことに伴うものですが、ここで小池百合子さんが国政に戻り総裁選の準備に入るという説が急浮上しています。

今のところ小池百合子さんは「都政にまい進している」と否定も肯定もしていません。何となく周囲に匂わせながら情勢がどう展開していくのかギリギリまで見極めるつもりでしょう。虎視眈々、チャンスと見れば電光石火で動く。2月の台湾訪問は総裁選出馬に向け風を読むため、あえて打ち上げた観測気球であることは間違いありません。

3-2 都知事選を基本に置きながら国政へのチャンスを待つ

衆院東京15区の補欠選挙への出馬について、ジャーナリストの田崎史郎氏は「そういうウワサは聞いたことはあります」と言います。

小池百合子さんの国政復帰は、1月の八王子市長選で、自民・公明が推薦の初宿和夫氏の応援演説に駆けつけるなど自民党との関係強化に乗り出す動きを見せていることなどから日増しに信ぴょう性を帯びてきています。実際に「東京15区から出れば当選する」と田崎氏は分析していますし、小池百合子さんの後ろ盾となってきた二階敏文氏とパイプは依然つながっていますから、自民党総裁への道は決して絵空事ではないでしょう。二階敏文氏と岸田文雄首相との関係悪化も進んでおり、二階敏文氏も小池百合子さんを本気で担ぐでしょう。

とはいえ、4月に国政に復帰、9月に自民党総裁選となればどうか。さすがの小池百合子さんも現実的に時間がなさすぎますね。最有力は7月の都知事選に出馬、3期目を狙うのが基本路線です。もちろん、小池百合子さんは世論を読むことにかけては天才的です。自民党の裏金問題、派閥解消など岸田政権がこれ以上もたつけば、一気呵成に勝負に出てくることも考えられます。座右の銘の「備えよ常に」をかみしめながら風向きを必死で読む状況がしばらく続くでしょう。

■まとめ

●裏金問題や派閥問題で岸田政権は崩壊の危機、支持率30%割れ
●岸田政権に支持率回復の手立てなし、小池百合子氏待望論、女性総理で自民復権狙う
●小池百合子氏、都知事3選を基本路線に総理の座うかがう作戦

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著者情報

ニックネームはハチマキめがね 。下水道の清掃員、マンホールから地下にもぐり数百匹のゴキブリとウンチまみれのドブねずみと対決→生鮮市場 でサンマやイワシなど小魚を売る。毎日、ギャング集団のマグロチームに追い立てられ少し弱り気味、、、。そんな中、日頃気になる話題を独自の切り口で語ってみました。「満月」のように太陽の光を浴びて夜道を照らすような存在でありたいと思います。よろしくお願いします!

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