ドラマ『海に眠るダイヤモンド』の第6話(12月1日放送)では悲しみの芽が大きく成長する展開となります。
時は1963年、東京オリンピックの前の年です。
鉄平が長崎大学を卒業して端島(軍艦島)に帰ってきて8年が経っていました。
第6話のテーマは「タイムカプセル」です。
海に眠るダイヤモンド第6話のあらすじ
端島はお正月。
周囲の炭鉱は次々と閉山していましたが、端島はいつも通りのお正月でした。
朝子(杉咲花)は園芸部での活動に熱を上げています。
幸せなお正月。
育てた鉢植えを鉄平(神木隆之介)に見せる朝子が可愛いですね。
2人の距離は第6話で、ますます近づいていきます。
第5話で「炭鉱長の息子」として脚光をあびた賢将(清水尋也)はその経験を経てある決意をします。
そしてその決意は鉄平にだけに打ち明けます。
一方で、鉄平の兄である進平(斎藤工)とリナ(池田エライザ)の関係性にも進展があります。
2人が荒木家をそろって訪れるのです。
ある報告を告げにやってくるのでした。
結婚の報告でしょう。
第6話では玲央(神木)といづみ(宮本信子)の関係にも注目です。
第5話では2人の間に血縁関係がないことが明らかになりました。
いづみの本当の名前が「朝子」だといういことも分かりました。
玲央(神木)は、自分と鉄平の関係を探るため、鉄平が残した10冊の日記を読みます。
読んでいる途中で、あるものが日記に挟まっていることに気づきます。
その日記の1冊に挟まっていたのは……。
「種」でした。
日記に挟まっていた種はタイムカプセル
ドラマ『海に眠るダイヤモンド』は、現代と戦後の2本の時間軸が平行して走っていく仕立てになっています。
この2本の時間軸をつなぐ役割をしているのが、「鉄平の日記」ですね。
第6話ではこの日記から種がでてきます。
この種には、朝子が鉄平や百合子、賢将たちといた「1963年の端島の時間」が詰まっています。
いわばタイムカプセルなんですね。
そしてその種は1963年に、平穏に続いてきた端島の時間が止まったことを意味する「終止符」の役割も果たします。
鉄平が朝子にプロポーズ
第6話では鉄平(神木)が朝子(杉咲)にプロポーズします。
朝子は子供の頃から鉄平が好き、そして鉄平も朝子が好きでした。
第5話まででモヤモヤしながらも、2人は互いの気持ちを確認し合いました。
第6話では鉄平は朝子に「端島で2人で幸せに生きていこう」と告げます。
その象徴が、朝子が園芸部で育てた自慢の鉢植え。
玲央(神木)が日記のページに挟まっていたのを見つけた種は、この鉢植えの花の種でしょう。
ということは、2人の時間は、ここで止まったことを意味しますね。
2人の幸せな時間……。
2人の間を引き裂く大きな事件がここで起きるのですね。
しかし、いったん止まった、1963年の端島の時間は、2018年に玲央が日記のページの間から種を見つけることで、動きだします。
鉄平の時間を、玲央が引き継ぐわけです。
時計の針が動き出します。
進平とリナの関係が大きく進展する
第6話では進平(斎藤工)とリナ(池田エライザ)の関係が大きく進展するでしょう。
第5話では、リナの過去を知るヤクザ者が福岡から端島に追ってきます。
「金は要らない。欲しいのは命だ」
とリナを追い詰めるヤクザ者を、進平がピストルで撃ち、リナを守ります。
ヤクザ者は海流にさらわれ沖へ、「もう見つからない」と進平が言います。
かつて波にさらわれた自分の妻が二度と帰ってこなかったように。
それで、ここはいったんおさまります。
そして、第6話では2人の関係がさらに進展し、2人で荒木家を訪問する。
一平は袴羽織紋付で登場、進平とリナの結婚式でしょう。
第1話冒頭の赤ちゃんは進平とリナの子で玲央
第1話の冒頭で、出てきた赤ちゃんにはこの物語全体の謎を解く鍵(かぎ)の意味合いがあります。
この赤ちゃんこそ、このドラマの鍵なのです。
つまり、鉄平(神木)とは玲央(神木)とは朝子(杉咲)とは……。
第5話では、玲央と朝子との間には血縁関係がないこととが判明しました。
だとするなら、なぜ、端島の鉄平と歌舞伎町の玲央は似ているのでしょうか。
鉄平の兄である進平の血を、玲央が引き継いでいるからです。
だから、鉄平と玲央は似ている、そっくりなんです。
いづみが救おうとするのも、それが理由です。
単なる物好きで、いづみが玲央を家に住まわせているはずはないのです。
賢将と百合子の間も進展
炭鉱長の息子として、難しい立ち位置にある賢将(清水尋也)。
自分は端島の支配者側なのか、それとも鉱員側なのか。
第5話では鉱員と喧嘩する一方で、父親とも「あなたのようになりたいくない」と決別、その葛藤が描かれました。
これから、どうやって生きていくのか。
そこで重要な役割を果たすのが百合子(土屋太鳳)です。
一度付き合って別れた2人。
その2人が再び本物の絆(きずな)で結ばれていきます。
賢将の人生は、百合子が寄り添うことで新たな展開を見せていくことになります。
キャスト
荒木鉄平(神木隆之介):鉱員の息子として育ち、長崎大学を卒業し、今度は職員に。人気者。朝子の幼馴染であり恋人?
荒木朝子(杉咲花):食堂の看板娘。純朴で優しい女性。
進平(斎藤工):鉄平の兄。リナとの関係を深め、重要な報告を持ち込む。
リナ(池田エライザ):謎の女。福岡で働き島に流れ着く。
賢将(清水尋也):思い悩む鉄平の親友。ある決意を秘める。
玲央(神木隆之介・二役):現代で鉄平の真実を探る青年。
まとめ
「今の幸せに下にはたくさんの犠牲がある」
第6話でリナ(池田)はこういいます。
一平が進平が命がけで掘り出している石炭もそうです。
戦後、日本が復興するエネルギーとなった石炭だって元は生物の死骸ですよね。
そういった犠牲や悲しみの上に、現在の自分たちはある。
日本の発展もそうです。
第5話で進平が撃った福岡のヤクザ者だって、海流で沖に流されて、それでお終いというわけにはいかない。
きっとその悲しみは降り積もっていきます。
このドラマで進平が犯した過ちは、必ずまた結果として形になってきます。
種は根を張り、芽を出していく。
そして花が咲く。
いろんな種が形になって行くのです。
第6話ではこのドラマのテーマ「ねっこ」と向き合う展開となりそうですね。