米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手、頑張ってますよね。
専属通訳であった水原一平さんが違法賭博に関与していた騒動のメンタルへの影響ははかり知れませんが、それでも懸命に野球に打ち込む姿にチームメイトも称賛を惜しみません。
とりわけチームメイトたちを共通して驚かせているのが大谷翔平選手の冷静さ。
勝負師には何と言っても冷静さが不可欠です。
戦国武将の戦を見ても先に冷静さを失った方が必ず負けています。
大谷翔平背選手はそこがよく分かっていますね。
絶対に冷静さを失わない。
大谷翔平選手の強さの最大のポイントはここにあります。
見ていきましょう。
●水原一平さんの事件後、チームメイトは大谷翔平選手の様子をどう見ている?
●冷静なのは今回だけのこと?
●もともと大谷翔平選手は鋼のメンタルを持って生まれてきたのか?
ドジャースのチームメイトたち、大谷翔平選手を絶賛
米大リーグ・ドジャースのチームメイトたちが大谷選手への全面支持を表明し、会見に同席したキケ・ヘルナンデス内野手は「裏切りは辛いものだ。それでも、職場でその影響すら見せない」と驚いています。
米カリフォルニア州地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は「裏切りは辛いものだ。しかし、ドジャースの選手たちはショウヘイ・オオタニの冷静さに驚かされている」との見出しで記事を掲載しました。大谷の会見に対する何人かのチームメイトたちの反応を紹介しています。
ミゲル・ロハス内野手/
「彼はクラブハウス内で素晴らしい存在だよ。プロフェッショナルで、一件については口にせず、野球に集中している」
ヘルナンデス選手/
「裏切りは辛いものだ。それでも、職場でその影響すら見せない」。「彼は、グラウンド内でやらなければいけないことに騒動の影響を与えない素晴らしい仕事をしている」
ジョー・ケリー投手/
「彼はとても強い。プロとして振る舞っているし、自分が同じ状況になった場合よりも上手く対処している」「騒動に対処しながらもプレーし、集中できているのを見るのはクールだよ」
ノーヒット・ノーラン、逃しても折れない。勝負はその後
大谷翔平が冷静さを見せ、周囲を驚かせたのは、水原一平さんの事件の時だけではありません。
2022年9月29日、エンゼルス時代のことです。
この日、大谷翔平投手は本拠地・アスレチックス戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場し、シーズン15勝目を挙げましたが、この試合で大谷翔平選手は、8回2死までノーヒットノーランを続けていました。
結局、その後、カペルに遊撃内野安打を許してしまい、ノーヒットノーランはなくなり、ヒットを打たれた瞬間には球場ではどよめきがあがり、悲鳴も混じったのですが、大谷翔平選手だけは冷静でした。
そしてこのヒットで、クールさを失い、自暴自棄になることはなく、その後も淡々と投げ続けたのでした。
最後は自己最長タイ8回まで投げて、10奪三振2安打無失点と好投し、バットでも4打数2安打1打点を挙げて、チームは4連勝を飾りました。
試合後の記者会見では、ノーヒットノーランについて「ゲームが始まる前はそのぐらいの気持ちで投げていますし。毎試合そういう気持ちで投げています。正直、でき的にはあまり良くなかったですし、スライダーが良かったところかなと思うんですけど、正直8回まで投げられるかは。調子自体はそこまでだったかなと思います」と冷静に振り返りました。
またこの時、ヤンキース・ジャッジとのMVP(最優秀選手賞)争いにも質問が及んだのですが、「それに関しては記者の皆さんが詳しいかなと思うので」と余裕の返答をみせ、米メディアは爆笑。「1試合1試合やることをやっていきたいなと思いますし、ジャッジ選手に関しても楽しみに見ているので。61本目も見ましたし、1ファンとして楽しみにしています」と落ち着いて語りました。
さすがですよね。
大谷翔平選手は生まれつきタフなのか?
では、大谷翔平選手は生まれつき冷静な人物なのでしょうか。
確かに性格もあるかもしれません。
しかし、自身の努力によるものも大きい。
常に「冷静に」「感情を揺らさないように」意識しています。
先天的なものもあるけれども後天的なものも少なくないのです。
エピソードを見てみましょう。
あるスポーツ記者の話です。
日本ハムファイターズに入団して3年目の春のキャンプの時のことです。
大谷翔平選手は毎日1件以上の取材に対応していました。
毎日、毎日。
休日も含めてです。
実は記者の取材というのは、だいたい質問はみんな同じ。
それなら、いっせいに全員が集まって記者会見してしまえば一度で済みますから、大谷翔平選手も楽ですし効率的です。
まとめちゃえば良さそうなものですが、記者の方にしてみれば一対一で取材すると、「ひょっとしたら自分にだけは特別に誰にも話していないことをしゃべってくれるかもしれない。特ダネにありつけるかも…」との期待があります。
それで「是非、うちとは個別取材で」と申し込むのです。
記者によってはわざわざ嫌な質問をして相手を怒らせ本音を引き出そうとする人すらいます。
個別インタビューに答えるのは結構きついのですが、人のいい大谷翔平選手はそんな記者の思いに答えて、個別取材に応じていました。
そして、あるスポーツ記者が取材した時のことです。
この記者のインタビューは26回目。
大谷翔平選手の方もさすがに「またか」「同じ質問か」と思ったかもしれません。
しかし、大谷翔平選手は嫌な言葉を発しないばかりか、疲れた表情を見せることなく終始にこやかに、そして穏やかに取材に応じました。
そんな大谷翔平選手の対応に感心しながら、その記者が「変なこと聞かれて、イラッとすることはないの?」と尋ねてみるとこう答えたのでした。
「イラッときたら、負けだと思ってるんで」
どうです。
驚きでしょう。
大谷翔平選手はインタビューを一つのメンタルトレーニングの場として活用していたのでした。
勝負師は正気を失った瞬間に終わります。
常に精神を鍛えて、冷静な状態でいなければ良いプレーはできない。
大谷翔平選手は本当に若い頃からそれを自覚し、そのために鍛錬を重ねていたのでした。
すばらしいですね。
こんな大谷翔平選手ですから、水原一平さんの事件のようなことがあっても落ち込んだり、取り乱したりせずに、プレーを続け結果を出すことができるのですね。
まとめ
●ドジャースのチームメイトは大谷翔平選手の冷静さにみんな驚き、リスペクトしている。
●ノーヒット、ノーラン逃しても自暴自棄にならない。淡々と。自己分析も冷静
●強いメンタルは努力でつくった。記者のインタビューも修練の場