米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手。
4月26日(日本時間27日)、敵地・ブルージェイズ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、初回に3試合ぶりとなる7号ソロを放ちました。
球場内は大谷選手への大ブーイングで始まり、一種異様な雰囲気のなかで、大谷選手が放った打球は高々とライトスタンドへ。
大逆風のなかでも気持ちを冷静に保ちボールを正確に打ち返したのです。
そこには大ブーイングという「マイナス」のエネルギーを野球全体に向けられたファンのエネルギーととらえ、「プラス」に切り替えたメンタル・コントロールの技術がありました。
さすがですね。
とても参考になりますので、ご紹介させてください。
このブログでは以下の点についてまとめています。
●大谷選手はなぜ大ブーイングを浴びても冷静でいられたのか
●逆風下でいかに大谷選手は自分のメンタルをコントロールしたのか
ブルージェイズのファンから大谷選手に大ブーイング
この日、対戦相手となったブルージェイズ。
ひょっとしたら今季、大谷選手はこのチームのユニフォームを着ていたかもしれません。
昨オフ中、ブルージェイズは大谷選手の有力な移籍先と見られており、「ブルージェイズが大谷選手を獲得」との報道もあったほど。
それだけに、ブルージェイズのファンたちは「ショウヘイ、何でブルージェイズに来てくれなかったんだ」という気持ちを強く持っていたに違いありません。
そんな「惜しかった」「悔しい」という思いがブーイングという形になり球場内で巻き起こったのでした。
「ブルージェイズのファンでも野球好きなんだ」
このブーイングについて大谷選手は試合後のインタビューで、次のように語っています。
自分のチームを好きだからこそ、相手のチームのそういう選手にブーイングしたりとかすると思うので。そういう熱量っていうのは別にドジャースファンでもブルージェイズのファンでも、野球好きなんだなっていう、そういうリスペクトに、逆に感じるところかなと思います。
どうでしょうか。大谷選手の切り替えの素晴らしさ。
ブーイングのファンたちはブルージェイズというチームを愛し、野球を愛している。野球を好きでいてくれている。
その「野球好きだ」という思いが「熱量(エネルギー)」となり、ブーイングになった。
だから、ブーイングはリスペクトしなければならないし、その野球愛には感謝しなければならないんだ。
大谷選手はこういうのですね。
大谷選手の先制7号ソロで「勝負あった」
今までなら日本中が大谷選手のファンで、エンゼルス時代も米国中が大谷選手を応援していました。
大ブーイングなんてありえなかったはずです。
この日のブルージェイズ戦だって、まさか自分に向けて大ブーイングが巻き起こるとは予想していなかったでしょう。
しかし、冷静に状況を把握し、メンタルを切り替えた。
その結果の7号ホームランだったわけです。
初回1死で内角に入ってきたクリス・バシット投手のスライダーをドンピシャリのタイミングでとらえ、見事に右翼席に運び、先制点をあげたのでした。
結局、この大ブーイングを浴びるなかでの大谷選手のホームランが、呼び水となり3回にマックス・マンシー内野手が5号3ラン、打者一巡の猛攻で一挙6点をあげ、3回終了時点で7点差をつけ試合の大勢が決めてしまいました。
大谷選手のホームランの1撃が試合を決めてしまったのですね。
「自分でメンタル強いとはもちろん思わない」
大ブーイングのエネルギーを取り込んで自分のパワーに変える――。
大谷選手は凄い選手ですよね。
そのメンタル・コントロールの秘訣はいったい何なのでしょうか。
まずは正確な自己分析です。
大谷選手はこの日、試合後に「メンタル・コントロールをどうしているのですか」と問われこう答えています。
もちろん場数もあると思いますし。自分でメンタル強いとはもちろん思わないので。
強がらない。
きっちり自己分析をしています。
さらにこうも言っています。
(メンタル強いと)思ってる人に逆にあんまり強い人いないんじゃないかなとは思いますし。シチュエーションによって確かにプレッシャーかからないはあると思いますけど。
的確ですよね。
人間だれしも弱い者。
野球選手だけ特別なんてことはない、ということですね。
そのうえで強いのは感謝です。
(大ブーイングのようなことは)野球やってる以上しょうがないというか。
むしろそういうシチュエーションで打席に立てているっていうことが、こういうところですでに自分にとってはうれしいことだと思います。
この感謝の心。
野球がやれている。
大舞台でやれている。
大ブーイングは注目されている証拠なんだということですね。
まるでヨットのように逆風を帆で受けて、それを前進する力に変えていく、そんなメンタル・コントロールですね。
まとめ
日々、信じられないほどのプレッシャーのなかで戦う大谷選手。
野球の投球やバッティングの技術はもちろんですが、メンタル・コントロールもまた野球の技術の中の一つだということですね。
自分の脆さや弱さを認識したうえで、自分をとりまく環境をプラスに捉えなおしてエネルギーに変えていく。
さすがですね。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。参考にしていただければ幸いです。以下、まとめとなります。
●自分のメンタルの強さ、弱さを正確に把握する。
●大ブーイングも自分が注目されている証拠と考え、パワーに変える。
●そんな環境にいられる自分が幸せだと認識する。