米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手のバットが止まりません。ドジャースの人気も急上昇。連日、多くのファンが球場に詰めかけています。そんななか5月16日、13歳の少年が行った始球式が米ファンたちの心を捉えました。
実はこの始球式、当初は大谷翔平選手の妻、真美子さんがマウンドに立つ予定でした。しかし、大谷夫妻の強い要望で急遽、変更となり心臓に病気を持つアルバート・リー君(13)に白羽の矢がたったのでした。このドラマ、どんないきさつがあったのでしょう。とても良い話なのでご紹介させていただきますね。
このブログは次のポイントでまとめています。是非、お読みください。
●ボブルヘッド(首振り人形)デーのモチーフに大谷選手
●その日の始球式はモチーフになった選手の奥さんが務める
●マウンドに立ったのは13歳の少年だった
1、真美子さん、始球式を辞退
5月16日(日本時間17日)の本拠地でのレッズ戦。この日は大谷選手のボブルヘッド(首振り人形)デーでした。ボブルヘッドはアメリカではとてもポピュラーな人形です。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)でもチームがファンサービスとしてしばしば人気選手のボブルヘッドを配布しています。
この日、ドジャースが用意した大谷選手のボブルヘッドは4万体。先着順に配布されるとあって会場前は大谷の人形を求めて長蛇の列ができました。来場者数5万3527人は今季MLBの最多記録でした。
ボブルヘッドデーにはある「決まり」があります。人形のモチーフになった選手の夫人が始球式を務めるというものです。大谷選手の場合なら先ごろ結婚しましたから、妻の真美子さんが始球式を務めます。球団もその方向で調整を進めていたのですが、真美子さんに球団が始球式を打診したところ返ってきたのがこんな答えでした。
「夫婦で話し合ったのですが『野球好きな子供や、あまり見に来られない病院の子とかの方がいいのでは』と決めたんです」(スポニチアネックス)
お二人の優しさですよね。
2、心臓病のアルバート君が代わりにマウンドに
そこで始球式に招待されたのがアルバート・リー君(13)。ドジャースと大谷選手の大ファンです。
アルバート君は生まれて3日で心臓病が判明しました。複数回の手術を乗り越えてきましたが、それでも完全ではありません。
大谷選手も日本を拠点とする心臓慈善団体にも寄付してきています。そしてそのことについてこんなふうに語っています。
「もし私が子供だったら、私もとても幸せだったと思うし、それを少しでも返したいと思っている」
アルバート君がマウンドに立った裏には、大谷選手のこんな強い思いがあったのですね。
3、キャッチャーは大谷選手
始球式前にはアルバート君との間でこんなシーンも見受けられました。
Nervous?
(緊張してるかな?)(大谷選手が笑顔で、アルバート君の肩をほぐすように手を置く)
Thank you for coming tonight.
(今日は来てくれてありがとう。)
Are You Ready? You are going to throw today. First pitch. OK?
(準備はいい? 君はこれから投げるんだよ. 始球式。 )
(写真:ドジャース公式インスタグラム)
びっくりして口を開けたまま声が出ないアルバート君。周りは笑いの渦でした。
そして始球式では大谷選手が自らキャッチャーを務めました。ボールをキャッチすると優しくアルバート君にかけ寄り、声をかけました。
アルバート君にとっては最高の1日だったのではないでしょうか。
大谷選手はアルバート君にスイートルームでの観戦やサイン入りグッズもプレゼントしたそうです。
まとめ
残念ながらこの日の試合は 7ー2でドジャースがレッズに完敗でした。
「もちろんそれで喜んでくれたら嬉しいですし、何より勝てたら一番良かったんですけど、明日また見るかもしれないですし、勝てるように頑張りたい」。
このコメントもまた大谷選手らしいですよね。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。ちょっとした気遣い、やさしさ、それがこんなにも人の心を温かくするものなんですね。以下、まとめとなります。
●大谷夫妻で話し合い、始球式のピッチャーを譲った。
●始球式を譲った相手は心臓病の13歳の少年、観戦チケットもプレゼントした。
●大谷選手はいつも「恩返し」を考えている。