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【最後の宰相、田中角栄⑩】「オール霞が関で行こうじゃないか」。こうして『日本列島改造論』は生まれた
発行部数91万部となった大ベストセラー、田中角栄の著書『日本列島改造論』。土地の乱開発の呼び水となり、インフレを助長させた――。そんなふうに評価する人も多く必ずしも評判はよくありませんよね。でも本当は角栄が政治家として携わってきた国土開発... -
【最後の宰相、田中角栄⑨】母フメ「角栄をお願えします」。秘書官に深々と頭を下げた。
猛烈さ、剛腕さばかりが際立つ田中角栄。しかし、母親のフメさんは素朴で優しい日本の母でした。角栄が通産大臣になりお国入りした際、フメさんは同行した秘書官を上座に座らせ、深々と頭を下げたといいます。「どうか、角栄をよろしくお願えします」。素... -
【最後の宰相、田中角栄⑧】陳情、平均3分で処理。「あれは大丈夫だ、やっておいた。」
田中角栄の記憶力の良さはよく知られています。官僚の奥さんの誕生日を覚えていてプレゼントを渡したり、息子の受験を知っていて応援したり。とりわけこれが地元新潟の選挙民となると恐ろしいほどだったといいます。誰と誰が親戚で仲が良いのか、子供の頃... -
【最後の宰相、田中角栄⑦】「俺が会う、大臣室に通せ」。繊維業界のドンとの対決
リーダーというのは「仕事のしどころ」をよくわきまえているものです。田中角栄もそうでした。ここは政治家の仕事だというところは逃げずに受けて立ちました。日米繊維交渉の大詰め、繊維業界のドンが役所に押し掛けてきた時も逃げずに対決しました。そば... -
【最後の宰相、田中角栄⑥】初っ端の挨拶で勝負を制す。数字をあやつり、人をあやつる
人の印象は見た目が9割。確かに言えますよね。会った瞬間の最初の10秒で人の印象は決まります。とにかく初っ端が大切です。田中角栄は最初の挨拶の名手でした。相手が「どんな人なんだ?」と真っ白な状態でいる間に、印象的な挨拶で心を捉えてしまう。... -
【解剖】大谷翔平、奇跡の引き寄せ法(9) 大谷と菊池、2人のジャパン・プライドの3つの共通点
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手。快進撃がとまりません。そしてトロント・ブルージェイズの菊池雄星選手。こちらも日本人選手として威風堂々の活躍です。米大リーグは日本人選手にとって、もはや憧れではなく、活躍する場所に変わったのですね。 と... -
【最後の宰相、田中角栄⑤】「俺の名刺を大蔵省に届けろ」
豪胆さと行動力で知られる田中角栄。しかし、実は部下への気配りを欠かさない繊細な神経の持ち主でもありました。とりわけ1971年の日米繊維交渉の大詰めで見せた通産省の官僚への配慮は見事でした。繊維交渉を決着させるにはどうしても2000億円の予算... -
【解剖】大谷翔平、奇跡の引き寄せ法(7)憧れを超えていけ。菊池雄星にひるむところなし。
米大リーグ・ドジャース大谷翔平がまた見せてくれました。4月27日(日本時間28日)の対ブルージェイズ戦で菊池雄星投手との対決で、3打数1安打1打点。ヒットの打球速度は119・2マイル(約191・8キロ)と自己最速でした。菊池投手は大谷選手の花巻東... -
【最後の宰相、田中角栄④】「金の問題なら俺に任せろ」
1971年、田中角栄が通産大臣になると待ち受けていたのは日米繊維問題でした。猛烈な勢いで輸出攻勢をかける日本の繊維業界。いらだつ米国。8年もの間、日本と米国との間でしこり続け、この決着をどうつけるか。時間はもうありません。田中角栄は試さ... -
【最後の宰相、田中角栄③】角栄がハムを現金に変えた
剛腕政治家、田中角栄。力の源泉には、コンピューター並みの頭の良さ、決断力、演説のうまさ...。いろいろあります。しかし、最も大きかったのが「金力(きんりょく)」。 それは霞が関で最高官庁とされる大蔵省の官僚たちを束ね、掌握していく際にも力を...